カーボンホイールのリムハイト選び|35mm・45mm・50mm以上を比較
「35mmは登り向き、50mm以上は平坦向き」。これは選び始めるときの目安にはなりますが、そのまま自分への答えになるわけではありません。実際に考えたいのは、どのようなコースを走る時間が長いか、普段どの速度域を維持できるか、突風に遭いやすいか、そして前輪が風を受けたときの操舵変化にどの程度慣れているかです。
この記事は、公開仕様に基づいて候補を絞るためのガイドです。同一タイヤ、同一空気圧、同一ライダーで行った風洞試験や実走比較の順位ではありません。「最速のリムハイト」を決めるのではなく、日常の環境に合わない選択肢を外し、自分に適した高さの範囲を見つけることを目的としています。

30秒でわかる結論:いつものコースから高さを絞る
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主に走る環境 |
まず比較したいリムハイト |
NEPESTの候補 |
選ぶ前に確認すること |
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登りが多い、速度変化が多い、前輪の扱いやすさを優先 |
35mm |
NOVA 35 / MAUI2 35 |
常用タイヤ幅、セット重量、加速感の好み |
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平坦と登りが混在し、1セットで幅広く走りたい |
45〜46mm、または前低・後高 |
NOVA 45 / NOVA X / RELI 46 |
コースの風、リム内幅、実測タイヤ幅 |
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開けた平坦路、グループライド、高速巡航が中心 |
50〜55mm |
MAUI2 50 / NOVA 55 / RELI 54 |
突風、体重、ディープリムの経験 |
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TTやトライアスロンなど、継続的な高速走行が明確 |
66mm |
NOVA 66 |
コースの風、コーナー頻度、日常兼用の必要性 |
この表は「最初に見る範囲」を示すもので、無条件の推奨ではありません。長い登り、橋の上の突風、高速の平坦路が同じコースに含まれるなら、45〜46mmや前低・後高の組み合わせは、ひとつの性能だけを追うより日常で使いやすい候補になります。
リムハイトで何が変わる?高さだけで決められない理由
リムが高くなると、風を受ける面積、断面形状を設計できる範囲、材料の使用量、セット重量が変わります。ただし、走行中の結果はリム外幅、断面形状、実測タイヤ幅、スポーク、空気圧、ライダーの姿勢、風向にも左右されます。
そのため、深いリムは一般に高速域での空力設計を重視しやすい一方、横風への対応も重要になります。浅いリムは重量や前輪の扱いやすさを優先しやすいものの、どの勾配・速度でも必ず速いという意味ではありません。

35mm:登りや加減速が多い人、扱いやすさから始めたい人
35mmは、登り、頻繁なペース変化、操舵への慣れやすさを優先する方が比較しやすい高さです。低速の急勾配では高速平坦路ほど空気抵抗の影響が大きくないため、システム全体の重量や加速のリズムが判断材料になります。突風を受けたときも、比較的浅い前輪は操舵への影響を管理しやすい傾向があります。
NOVA 35は、公開仕様でリム内幅23mm、セット重量1180±30g。日常トレーニングからヒルクライムまでを想定しています。MAUI2 35は内幅21mm、1235±30gで、高剛性、加速時の反応、エントリーレースをより重視した設計です。同じ35mmでも、想定タイヤ幅と乗り味の方向が異なります。
走る時間の大半が平坦で、一定速度を長く維持するのであれば、35mmも使用できますが、軽いという理由だけで最適と決める必要はありません。
45〜46mm:1セットで幅広いコースを走りたい人
45〜46mmは、比較的バランスを取りやすい高さです。断面形状を設計する余地がありながら、より深い前輪ほど横風への慣れを最優先にしません。平坦、起伏、登りが混在する週末のコースでは、候補を絞るときの基準にしやすいでしょう。
NOVA 45は内幅23mm、セット重量1220±30gで、総合的なトレーニングやレースを想定しています。RELI 46は内幅24mm、1245±30gで、平坦巡航、ロングライド、ワイドタイヤとの組み合わせを重視しています。1mmの高さの違いだけでなく、内幅、常用タイヤ幅、走行リズムを合わせて比較してください。

50〜55mm:高速巡航の候補。横風も同時に考える
開けた平坦路、グループライド、レースで高い速度を長く維持できるなら、50〜55mmが候補になります。MAUI2 50は加減速を繰り返すレース、NOVA 55は変化のあるコースでの高速域、RELI 54は平坦での持続的な巡航に軸足を置いています。
一方、前輪が深くなるほど、横風や突風が操舵に与える影響を意識する必要があります。体重が軽い方、ディープリムの経験が少ない方、橋、河川敷、海沿いの開けた区間をよく走る方は、平均風速だけでなく突風も確認してください。初めてディープリムを使う日に、強風下で無理に慣れようとするのは避けましょう。
66mm:用途がはっきりしてから選ぶ
NOVA 66は、TTやトライアスロンなど、継続的な高速走行を想定しています。信号やコーナーが多い、登りが多い、風向が不安定といった日常コースでは、見た目や「深いほど速い」という印象だけで選ぶべきではありません。
選ぶ前に、3つ確認します。安定した高速走行の用途があるか。天候に応じてホイールや走行計画を変えられるか。横風を受けたディープリム前輪の挙動に慣れているか。答えが明確でなければ、45〜55mmのほうがトレーニングとレースを両立しやすい場合があります。
前低・後高:異なるリムハイトを組み合わせる理由
NOVA Xはフロント45mm・リア55mm、RELI Xはフロント46mm・リア54mmです。前輪は操舵に直接関わり、横風の影響を受けやすい部位です。後輪は操舵を直接担わず、フレームやライダーの後方にある気流環境で回転します。前低・後高は、前輪の扱いやすさと後輪の空力志向の間に、別のバランスをつくる選択肢です。
ただし、「自動的に安定し、必ず速くなる」という意味ではありません。適性はリム断面、風、体重、コース、実測条件によって変わります。深めの後輪を使いたい一方、前輪まで同じ高さにしたくない方が比較しやすい構成です。

体重・風・経験を選び方に加える
リムハイトを体重だけで分ける共通の基準はありません。軽いライダーは前輪に加わる横方向の力を感じやすい傾向がありますが、リム断面、風向、突風の強さ、姿勢、経験も同時に影響します。
安全側から判断するなら、次の順序で確認します。
- いつものコースに、開けた道路、橋、河川敷、海沿いがどの程度あるか確認する。
- 平均風速だけでなく、突風の予報を見る。
- ディープリム前輪の経験と、突風時に力まず走行ラインを保てるかを振り返る。
- 条件が読めない場合は前輪を浅くするか、前低・後高を比較する。
- 強風、雷雨、気象警報がある日は、コース変更や中止を選ぶ。
4つの質問で候補を決める
1.コースの大半を占めるのはどの場面か。 登りと加減速が多いなら35mm、混合コースなら45〜46mm、安定した高速平坦路なら50mm以上から比較します。
2.実際に維持できる速度域はどのくらいか。 短時間のスプリント速度を普段の巡航速度として考えないことが大切です。空力効果は速度に関係するため、低速の急勾配や信号の多い市街地では、深いリムを選ぶ理由が変わります。
3.いつもの風は一定か、それとも突風が多いか。 前輪の操作では突風に注意が必要です。コースが開けている、体重が軽い、経験が少ない場合ほど、前輪の高さは慎重に選びます。
4.1セットで幅広く使うのか、特定用途の2セット目か。 1セットだけなら、普段走る80%のコースを優先します。すでに日常用ホイールがあり、レース専用の構成を追加する場合は、より深いリムも検討しやすくなります。

よくある誤解
深いほど必ず速い?
いいえ。深いリムの利点は、速度、風向、タイヤとリムの組み合わせなどの条件に左右されます。低速の登り、頻繁なコーナー、強い突風では判断が変わります。
軽いほど登り向き?
重量は重要ですが、ライダー、バイク、ボトル、携行品を含むシステム重量で考えます。タイヤ、空気圧、剛性の感触、加速のリズムも実走感に影響します。
初心者は50mmを使えない?
一概には言えません。風が安定したコースで、基本的な操作に慣れていれば、段階的に適応できます。橋の突風や海沿いの開けた区間が多い場合は、浅めの前輪がより慎重な選択です。
数字より先に、走る環境を選ぶ
1セットだけを選ぶなら、登りや加減速が多い方は35mm、変化の多いコースは45〜46mmまたは前低・後高、開けた平坦路で高速巡航を維持できる方は50〜55mmから比較します。66mmは、用途と風の条件がより明確な場面に向けた選択肢です。
最終決定の前に、リム内幅、実測タイヤ幅、フレームクリアランス、フリーボディ、アクスル、空気圧上限も確認してください。リムハイトは選択手順のひとつです。


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